年齢を重ねることで目立ってくる顔のたるみ、しわ、ほうれい線∙∙∙それらの原因が実は肌の変化だけではない、ということをご存知でしょうか?
エイジングによって顔を構成する組織に生じる変化を知り、いつまでも美しく健康的な顔を保つ方法を学びましょう。
監修:佐藤 英明 先生(CLINICA BellaForma 院長)
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年齢を重ねることで目立ってくる顔のたるみ、しわ、ほうれい線∙∙∙それらの原因が実は肌の変化だけではない、ということをご存知でしょうか?
エイジングによって顔を構成する組織に生じる変化を知り、いつまでも美しく健康的な顔を保つ方法を学びましょう。
監修:佐藤 英明 先生(CLINICA BellaForma 院長)
年齢を重ねると生じやすくなる、顔のしわ、たるみ、くぼみ。
その本当の原因が骨のボリューム減少にあることは、実はあまり知られていません。
2016年に20~60代の女性1,035人(各年代207名)を対象に行ったアンケート調査※によると、「顔の骨量が減少し骨格が痩せ細っていくことがしわやたるみ、くぼみの原因となる」ことを「知っていた」と答えた女性は25%でした。
また、「加齢に伴い、からだの骨量と同様に顔の骨量も減少していく」ことを「知っていた」と答えた女性も半数以下でした。
「加齢による見た目の変化」というと、つい肌の衰えばかりが気になってしまうかもしれません。
しかし、肌の奥にある組織も大きく関わっています。
健康的な美しさを保つには、その影響や原因を正しく理解することが必要です。
年齢を重ねると変わっていく顔の変化と原因について、佐藤先生に詳しく教えていただきました。
年齢を重ねると、私たちの顔は徐々に変化していきます。
個人差はありますが、30代頃から変化が始まるといわれています。
代表的な変化の例をまとめました(イラスト参照)。
・こめかみや目の周りがへこむ
・下まぶたの眼窩脂肪が飛び出して垂れ下がる
・頬やフェイスラインがたるむ
・ほうれい線やマリオネットラインが目立つ
一気に変わるのではなく少しずつ変化していくので、鏡で見ている分には気が付かないことが多いものです。
しかし、ふとした時に5年前や10年前に撮った写真と最近の写真とを並べてみると、変化が一目瞭然になることもあるでしょう。
変化は顔の外側から生じやすいので、最初はフェイスラインやこめかみなど、顔の輪郭部分に変化を感じる人が多いかもしれません。
加齢による見た目の変化について、肌の奥にある組織がどう影響しているのか、詳しく見ていきましょう。
肌は、もっとも外側にある表皮、その下の真皮、そして、皮下脂肪(皮下組織)、筋肉、骨という5つの層から成り立っています。
加齢は、この5つの層全てに影響を与えます。
表皮や真皮だけがダメージを受けるわけでも、中間層の筋肉や皮下脂肪のみが変化するわけでもありません。
全ての層が加齢の影響を受けることでバランスが崩れ、見た目が変化していきます。
例えるなら、骨組みがバランスを失うことで家が倒れていくようなイメージです。
5つの層のなかでも、見た目に最も大きな影響を与えるといわれているのが、一番下で組織を支える『骨』です。
骨はどのように変化し、見た目にどんな影響を与えるのでしょうか。
私たちの体の骨は日々、少しずつ溶かされ(骨吸収)、新たに作られる(骨形成)ということを繰り返しています。
若いうちは骨の吸収と形成のバランスがとれているのですが、年齢を重ねるとそれが崩れ、吸収のスピードが形成を上回るようになります。
その結果、骨密度が低下し、骨が萎縮していきます。
骨は、その上にある筋肉や脂肪、皮膚、皮下脂肪を支える土台の役割を果たします。
土台が縮んでしまうことによって、支えられなくなった皮膚や脂肪などが重力で垂れ下がって、たるみが生じるほか、頬などはふくらみが失われて、へこみが生じてしまうというわけです。
加齢の影響で顔に現れる具体的な変化は、以下の通りです。
・前頭部がへこみ、おでこの丸みが損なわれる
・眉毛の上にへこみができ、眉毛が飛び出て見えるようになる
・こめかみもへこみ、骨張った印象になる
・眼窩(がんか:眼球が入っているくぼみ)のまわりが広がり、目が落ちくぼむ
・小鼻が広がり鼻先が下がって、極端に言うと絵本に出てくる魔女のような形状になる
・頬が痩せこけ、頬の垂れ下がりやほうれい線やゴルゴラインが目立つ
・あごの骨が減り、フェイスラインのたるみや二重あごが生じやすくなる
一般に、骨密度のピークは男女ともに20代で、その後は徐々に低下すると考えられています。
個人差はあるものの、40代になるとはっきり骨の萎縮がわかるようになることが多いようです。
加齢による骨の萎縮は、男性よりも女性に顕著に見られる傾向があります。
その理由は、女性が50歳前後に迎える「閉経」にあります。
閉経を境に、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が大きく低下します。
エストロゲンには骨の吸収をゆるやかにする働きがあるのですが、閉経後は分泌量が大きく減るため、骨の吸収が進みやすくなり、骨密度が低下するのです。
それにともない、見た目も大きく変化するケースが多くなってしまいます。
縮んでしまった骨を元に戻すことはできません。
ですが、骨が縮むスピードを遅らせたり、縮んでしまった部分を美容医療で補ったりすることは可能です。
どんな方法があるのか、確認してみましょう。
骨の形成に重要な栄養素を摂取することで、骨密度を維持しやすくなります。
骨密度の維持のために摂取しておきたい栄養素には以下のようなものがあります。
・骨をつくるのに欠かせない「カルシウム」
・カルシウムの吸収を促す「ビタミンD」
・カルシウムの骨への取り込みを助ける「ビタミンK」
・大豆に含まれ、骨芽細胞を活発にするエストロゲンと同じような働きをする「イソフラボン」
栄養素 | 多く含む食品※ (1食あたりの摂取量より) |
---|---|
カルシウム | ・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト) ・緑黄色野菜(モロヘイヤ、小松菜) ・骨ごと食べられる小魚 ・海苔 ・わかめ ・納豆 ・豆腐 ・豆乳 ・おから |
ビタミンD | ・干ししいたけ ・鮭 ・サンマ ・鶏卵(たまご) ・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト) |
ビタミンK | ・ブロッコリー ・ほうれん草 ・明日葉(アシタバ) ・納豆 ・肉類 ・鶏卵(たまご) ・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト) |
イソフラボン | ・納豆 ・豆腐 ・豆乳 ・おから ・ゆば ・きなこ ※エストロゲンに加えて良質のたんぱく質やカルシウムも豊富に含む |
食事だけではうまく摂取できないという場合は、サプリメントを使うのもよいでしょう。
ただし、これらの栄養素は摂り過ぎると体に悪影響をおよぼすことがあるほか、さまざまな栄養素をバランス良く摂取してはじめて、うまく働くことが少なくありません。
サプリメントを利用する場合は、一日あたりの用法・用量を守ったうえで多彩な栄養素やエネルギーを、バランス良く取り入れることを心掛けましょう。
運動は、骨密度を増やすための重要な習慣です。
骨は衝撃を与えられることで細胞が活性化され、骨密度の増加につながりやすくなります。
ウォーキングやジョギングといった重力のかかる運動や、筋トレのような、筋肉を通じて直接骨に刺激を与えるような運動が、骨密度の維持には有効といわれています。
カルシウムの吸収を促すビタミンDは、日の光に当たることによって、体内でつくられやすくなります。
そのため、適度な日光浴を行うことも必要です。
とはいえ紫外線に当たると、光老化によるシミやしわのリスクが増えます。
例えば、室内では顔や首にはしっかりと日焼け止めを塗るけれど、手足には塗らずに過ごすなどして日光を適度に体に浴び、ビタミンDの合成を促しましょう。
骨密度の維持はもちろん重要ですが、すでに縮んで変化してしまった骨を元に戻すことはできません。
骨のボリュームロスをはじめとした、皮膚組織の変化を補うには、美容医療の力を借りるのが有効です。
ここでは、ボリュームロスを補う代表的な治療の一つである「ヒアルロン酸注入治療」を例としてご紹介します。
ヒアルロン酸注入治療では、加齢などによってボリュームが失われたり、たるみが生じたりした部位に、ヒアルロン酸製材を注入することでボリュームや輪郭を整えることができます。
適切な部位に適切な量・方法で注入すれば、自然な仕上がりを目指すことが可能です。
また、ヒアルロン酸製材には硬さ等によってさまざまな種類があるため、適応する部位が多い点も魅力です。
針を使うため、多少の内出血はありますが、ダウンタイムも比較的短く、施術を受けたその日から効果を実感する人も多いです。
ヒアルロン酸注入治療のほかにも、悩みに応じたさまざまな治療法の選択肢があります。
一例をあげてみましょう。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません
個人差はありますが、骨の萎縮は30代から始まり、40代になると見た目の変化を感じ始めるようになる人が少なくありません。
加齢による顔の変化は、セルフケアだけでは改善が難しいことも。
したがって、「いつまでもキレイ」をキープするには、美容医療を取り入れるのが有効です。
加齢などによって失われた顔のボリュームを補う治療法には、たくさんの選択肢があります。
まずは医師と相談し、自分のなりたい顔のイメージに合わせた方法を選ぶのがよいでしょう。
上手に美容医療を使って、自分のコンプレックスを解消していきましょう。
参考文献
・骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン
・厚生労働省 eヘルスネット
・日本食品標準成分表2020年版(八訂)
※顔の美容に関する調査概要
アラガン・ジャパン株式会社調べ
・調査対象:20歳~60代の女性 美容クリニックまたはエステでの治療・施術の経験がある人または意向がある人 有効回答数1,035名
・調査期間:2016年11月4日~11月7日
・調査方法:WEBアンケート
北里大学医学部卒業後、北里大学形成外科に入局。関連施設での研修やさまざまな医療機関での従事を経たのち、日本の有名な美容外科医を数多く輩出してきた、北里研究所病院 美容医学センター センター長に最年少で就任。その要職を長年務め、2022年にCLINICA BellaFormaを開院。
アラガン・ジャパン注入指導医、日本形成外科学会指導医、日本臨床皮膚外科学会専門医をはじめ、多数の専門医資格を持つ。不自然な若返りではなく、患者の美しさを引き出し、人生のプラスになるような治療を、技術と愛情を持って提供することを心がけている。