オンライン会議中の画面や、ふとしたタイミングで他人に撮られた写真を見たときに、口角の高さなど自分の顔の左右差が気になったことはありませんか?顔の左右バランスが崩れてしまう原因と対策について、今泉スキンクリニック 院長の今泉明子先生にお話をうかがいました。
監修:今泉 明子 先生(医療法人青泉会 今泉スキンクリニック 院長)
See our new privacy terms at https://privacy.abbvie/.
オンライン会議中の画面や、ふとしたタイミングで他人に撮られた写真を見たときに、口角の高さなど自分の顔の左右差が気になったことはありませんか?顔の左右バランスが崩れてしまう原因と対策について、今泉スキンクリニック 院長の今泉明子先生にお話をうかがいました。
監修:今泉 明子 先生(医療法人青泉会 今泉スキンクリニック 院長)
目次
顔が左右非対称(アシンメトリー)になる原因は、大きく2つあります。
顔が左右対称にならず、非対称になってしまう原因の1つ目は、生活習慣です。左右均等に顔の筋肉を使えていないと、口角の高さに左右差があったり、口が曲がって見えたりします。
左右差を生んでしまう代表的な生活習慣は、噛み癖です。食事の際に左右の片側ばかりで噛んでしまうことで、顔の歪み、左右差が生じてしまいます。
ほかにも、寝るときの姿勢も顔の左右差につながるので注意が必要です。毎日身体を同じ横向きにして寝ると、顔の側面に圧力がかかり、歪みの原因となります。
顔の筋肉を上手に使うには、日々の生活のなかで意識して訓練することが必要です。
顔が左右非対称になる原因の2つ目は加齢です。顔の骨や筋肉組織、皮下脂肪は、加齢によって萎縮したり弛緩したりすると、たるみやしわの原因になります。
骨は「土台」として筋肉や皮下脂肪、皮膚(真皮・表皮)を支えていますが、骨が萎縮することで、各層を十分に支えられなくなります。骨による支えが弱くなった各層は重力によって垂れ下がり、たるみによって顔が非対称になっていきます。
また、たるみは、皮下脂肪が元の位置から下に移動(下垂)することでも生じます。
例えば、フェイスラインや口元のたるみは、額・こめかみ・目の下・頬の皮下脂肪の移動によって現れます。
加齢による組織の萎縮・弛緩や、皮下脂肪の移動は、左右非対称に現れるため、顔の左右差が生じてしまうのです。
顔が左右対称(シンメトリー)になるメリットは、相手へ好印象を与えやすくなることです。「左右対称は美しい」ということは、生まれたばかりの赤ちゃんの頃から脳に刻まれているほどです。顔が左右対称であれば、美しく整った、清潔感ある印象を与えられます。
しかし、左右対称すぎる顔立ちは、不自然なイメージを持たれる可能性もあります。完璧な左右対称は自然界にないため、違和感をあたえてしまうのです。そのため、左右非対称だから美しくないという訳ではなく、アンバランスな左右非対称だからこそ生まれる魅力もあるということを覚えておきましょう。
とはいえ、非対称(アシンメトリー)のパーツが増えるほど、見た目に違和感を与えるのは事実です。
例えば、口元にほくろが1つあってもあまり違和感はありませんが、眉毛の角度が左右で極端に異なったり、口角の片側だけ下がったりしていると、見た目に違和感が生じます。
1つのパーツの小さな左右差なら気にならなくても、複数のパーツに左右差が現れると、顔全体で見たときに不自然な印象を与えてしまうのです。
顔が左右対称になっているかを確認するには、現在の顔の歪みをチェックすることが大切です。
スマートフォンで他人に自分の顔を撮影してもらい、写真加工アプリなどを使ってグリッド線を引くことで歪みの有無を確認できます。
顔写真は、自然な表情になるよう、他人に撮影してもらうのがおすすめです。自撮りだとついかわいく写ろうと、目の開き具合や口角の高さがいつもと異なる可能性があります。
写真にグリッド線を引いたら、顔の中でもよく動かすパーツである目の周辺や眉、口角などをチェックしましょう。よく動かすパーツほど、歪みや左右差が生じやすい傾向にあります。
顔を左右対称にするための方法として、小顔矯正や美容鍼、表情筋トレーニングなどさまざまな方法が登場しています。実際に効果が期待できるのか、今泉先生にご意見をうかがいました。
顔を左右対称にするための方法として、小顔矯正や美容針、表情筋トレーニングは、継続できるのであれば有効といえます。
顔が非対称になるのは、顔の筋肉を左右均等に使えていないためです。小顔矯正や美容鍼は、顔の筋肉を上手に使うための手助けをしてくれるものと考えれば、手段としては「アリ」でしょう。ただし、続けないと意味がありません。
しかし、表情筋トレーニングは、途中でやめると逆に顔のたるみを誘発する危険があるため、毎日の習慣として取り入れるのがおすすめです。
顔を左右対称にするために、生活習慣の見直しをすることは、長期的に続けられるのであれば効果的です。
例えば、噛み癖や寝る姿勢といった習慣を改善すると、顔の歪み解消に役立ちます。
しかし、生活習慣の改善に即効性はなく、日々の生活の中での地道な積み重ねが必要です。
顔を左右対称にするために、メイクは根本的な解決とはなりませんが、有効です。
例えば、口角の高さに左右差があるのであれば、コンシーラーで隠したり、逆にリップペンシルなどで大きく描くことでリップラインを調整できます。また眉毛の高さに差がある場合も、書き方を工夫することで左右均等に近づけることが可能です。
毎日のメイクに時間をかけられる人であれば、メイクを工夫することで左右対称に見せるのも一つの手段です。
顔を左右対称に近づけるためには、美容医療も有効です。
一度生じてしまった顔の歪みを、セルフケアで改善するには、多くの時間と根気を要します。
顔の歪みを治すためには、整形(メスを使う施術)が必要ではないかと思われた人がいるかもしれませんが、メスを使わない(切らない)美容医療でも顔の左右差を少なくすることが可能です。
メスを使わずに顔の左右差を整える治療法としては、注入治療や、サーマクールなどの高周波治療、HIFUなどの超音波治療、スレッドリフト(糸を使った施術)治療などが挙げられます。
※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません
最近では、注入治療が選択されるケースが増えています。痛みやダウンタイム(施術前の生活に戻れるまでの期間)が少なく、自分の顔の個性を活かしながら、歪みを整えられることが魅力です。
以下のような悩みがある人は注入治療を検討してみてもいいでしょう。
・顔に左右差を感じる
・頬のコケやくぼみが目立つ
・フェイスラインのたるみが気になる
・目元のしわや、ほうれい線などの深いしわが気になる
・唇の形などを整えたい
具体的な施術が気になる人は以下の記事をご覧ください
・ボツリヌス注射(注入治療)の詳細はこちら
・ヒアルロン酸注射(注入治療)の詳細はこちら
・スレッドリフト治療(糸の治療)の詳細はこちら
・HIFU・高密度焦点式超音波治療(超音波の照射治療)の詳細はこちら
顔を左右対称に近づけたいなら、自分の顔の特徴を活かした治療を提案してくれる医師を見つけて、一連の治療(シークエンストリートメント)を任せることが重要です。
Aクリニックで鼻、Bクリニックで口元といった具合に、パーツごとに医師を変えてしまうと、自分のなりたい顔に近づくどころか、ますます遠のいてしまい、「次はどこを治せばいいのだろう?」と、迷子になってしまいます。
信頼できる一人の医師を決めてから「若く見えるように」「女性らしく見えるように」など、よく方針をすり合わせたうえで、施術に踏み切りましょう。
美容医療は、美容院やジムに通うのと一緒で、自分を好きでいるための一つの手段といえます。朝の身支度中に鏡で自分の顔を見たときに、ノーメイクでもきれいと感じられたら幸せな気持ちで1日を過ごせるはずです。自分の幸福度を上げるためにも、ぜひ気軽に、美容クリニックを利用してみてはいかがでしょうか。
参考文献
今泉明子:成功する顔 しない顔 人生を劇的に好転させる究極の美顔術.サンライズパブリッシング,2022
聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学院 にてアトピー性皮膚炎に対する抗アレルギー薬の効果について研究し、博士号取得。その後、日本赤十字医療センター 皮膚科にて勤務。2003年、最先端の美容医療を学ぶため渡米。再生医療の研究で有名なニューヨーク ワイル・コーネル医科大学(皮膚科)にてDr.Granstein教授に師事し、米国大手化粧品メーカーとの共同研究に携わる。2007年、米国から帰国後、東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックNoage(ノアージュ)の院長に就任。『ヒアルロン酸注射』『ボツリヌス注射』などの注入治療をはじめ、レーザー治療、育毛治療などさまざまな治療における幅広い対応力から、政財界・芸能界の多くの著名人からの信頼を集める。
医療法人青泉会 今泉スキンクリニック
住所:〒106-0032 東京都港区六本木7-18-8 第III大栄ビル6F