年齢は体にさまざまな影響を与えます。ボディラインもそのひとつです。特に女性は、年齢とともにバストやヒップが下がり、ウエストに脂肪がつきやすくなるなど、若い頃とは体型が大きく変わってくることが少なくありません。

体型の変化は、年齢を重ねた大人の魅力のひとつではありますが、なかにはコンプレックスを感じてしまう人もいるでしょう。その場合、こうした変化はいつ頃から、どのように生じるのか、そして、体型をカバーしたい場合はどのようにすればよいのか、気になりますよね。

今回は年齢による女性の体型の変化について、多くの女性の体型悩みを解決に導いているKUMIKO CLINICの下島久美子先生にお話を伺うとともに、気になるパーツをカバーしてスタイルアップするコーディネートを、シンプルでありながら洗練されたファッションで高い支持を集めるOPAQUE.CLIP内藤さんに教えていただきました。

監修:下島久美子先生(KUMIKO CLINIC院長)
          内藤倫子さん(OPAQUE.CLIP)

目次

スタイルアップの第一歩は体の変化を知ること!年齢を重ねると体型はどう変わる?

年齢とともに変化しやすい女性の体型のなかでも、特に変わりやすいのが、脂肪の付き方です。年齢を重ねるにつれ、全身に脂肪が付きやすくなり、特にお腹まわりやヒップラインの脂肪が厚くなっていくことが、さまざまなデータで示されています。

今回は、年齢による女性の体型の変化と特徴を、20代~30代前半、40代半ば~50代、そして二つの世代のはざまである30代後半~40代前半の三つに分けて、体型の特徴や、変化する理由や原因などをお話しします。

大人の体が完成し、サイズが落ち着く20代~30代前半

女性は19歳前後から「性成熟期」と呼ばれる時期に入ります。この時期には、思春期にはじまった体の発育(第二次性徴)が終わり、ホルモンの分泌量が安定します。したがって20代~30代前半は体型的にも安定する時期といえます。特に20代後半は体が最も引き締まる時期ともいわれています。バストやヒップはしっかり丸みを保っていてハリがあり、ウエストにはくびれがあるのが特徴です。

ただし、腕やウエスト、背中などの上半身には脂肪が少ないものの、太ももやヒップといった下半身の皮下脂肪のつき方は、20代~30代前半も40代半ば~50代もさほど変わらないというデータがあります。つまり20代~30代前半の体型は、上半身に比べて下半身がふっくらしている傾向にあるともいえます。

体型の崩れを実感する、30代後半~40代前半

30代後半~40代前半は、若い頃に着ていた服が入らなくなるなど、体型の変化を実感する人が多いかもしれません。

若い頃は上半身にあまりつくことのなかった脂肪が、30代を過ぎると徐々に、体幹部=お腹につくようになり、ウエストのくびれが目立たなくなったのを感じる人も多いでしょう。妊娠や出産を経験したことで、内臓を支える骨盤底筋群が弱まって、ぽっこりと出た下っ腹に悩む人もいるはずです。

丸くハリのあったバストも、上のほうのボリュームがなくなって垂れ下がり、ヒップも垂れ下がってメリハリがなくなったように見えてくることもあります。

お腹に脂肪が集まりやすい、40代半ば~50代

個人差はありますが、女性は50歳前後に閉経を迎えます。40代半ば~50代は閉経に向けて再びホルモンバランスが大きく変化する「更年期」にあたるため、体型もホルモンの影響を受けて変わっていく傾向にあります。

バストやヒップの下垂がさらに進むほか、脂肪がお腹に集中しやすくなり、50歳を過ぎるとバストとウエストの太さが同じになるというデータもあります。40代半ば~50代では、全身の体脂肪率がそれほど高くない人でも、お腹にはしっかり脂肪がついている……という状態になることが多いのかもしれません。

また40代半ば~50代では下半身、特に太ももの大きさも変化します。40代までは20代に比べて太くなるものの、50代以降は筋力の低下なども影響して年齢を重ねるごとに細くなっていく傾向にあり、体型のバランスが20代~30代前半、30代後半~40代前半とは変わっていることがわかります。

続いては、こうした年代ごとの体型の変化をコーディネートで上手にカバーしていく方法を見てみましょう。

20代~30代前半のスタイルアップポイント

20代~30代前半の体型は、上半身が華奢な一方、下半身は相対的に脂肪の量が多いのが特徴。下半身のボリュームをカバーしつつ、全身のバランスを整えることでスタイルがアップします。また、「小顔に見せたい」「手足を細く見せたい」という願望も多いため、首まわりのカットやそで・すその丈を工夫して顔を小さく見せたり、手足をすらりと見せたりするコーデを目指しましょう。

スタイルアップポイント①:クロップド丈ニットとミドル丈ボリュームスカートの黄金バランスで下半身をカバー

20代~30代前半が気になるヒップ、太もものラインをカバーするボリュームスカートがコーディネートのポイント。ミドル丈にすることで足首が見えて、下半身を華奢に見せる効果があります。

トップスは短めのクロップド丈を選び、ウエストの位置を高く見せるとスタイルにメリハリを出しつつ、今っぽいバランスの着こなしに仕上がります。ニットのそでをまくって手首を出すことで、さらにスタイルアップに。大人かわいい印象もつくれます。

スタイルアップポイント②:流行のワイドパンツを主役にしたきれいめコーデで下半身をほっそり見せる

パンツスタイルの場合、20代~30代前半が気になるヒップ、太ももラインのカバーには、タック入りのワイドパンツがおすすめ。ゆったりシルエットで下半身をカバーしつつ、ほっそり見せる効果が期待できます。
トップスはコンパクトなシルエットのものを選び、ウエストインして下半身とのメリハリを出すのがポイント。クルーネックによる小顔効果も期待できます。
コーディネートがシンプルな分、写真のように大胆な主役級のカラーを選ぶとスタイリッシュさが一層際立ちます。
足元はヒールパンプスで仕上げて、ヒップラインをキレイに見せるスタイルアップをねらって。

30代後半~40代前半のスタイルアップポイント

ウエストのくびれがなくなり、お腹についた脂肪が気になり始める30代後半~40代前半は、ウエストのカバーがスタイルアップのポイントになります。コーディネートでウエストを自然にカバーしつつ、上半身にもポイントをつくり、目線を上に集めることでスッキリした印象を与えやすくなるでしょう。

スタイルアップポイント①:ゆるめのトップスとタックスカートでウエストまわりを自然にカバー

お腹まわりのラインを拾いにくいタックスカートは、ウエストが気になり始める30代後半~40代前半におすすめのアイテム。
ゆるめのトップスをタックインにすることで立体感が出て、お腹まわりを自然にカバーしつつ、スタイルアップが叶います。
アイテムの組み合わせ次第で、カジュアルにもきれいめにも見せられる万能コーデです。

スタイルアップポイント②:大胆なトップス使いでウエスト~ヒップをカバー

ヒップまで隠せるトップスで、30代後半~40代前半が気になるウエスト~ヒップを自然にカバー。トップスにボリュームを持たせた分、ボトムはテーパードパンツでスッキリ見せると、体型をカバーしながらもメリハリあるコーディネートに仕上がります。
足元は、バレエシューズやヒールパンプスで足首を見せるのがポイント。
カーディガンを肩掛けにして目線をUPさせると、さらなるスタイルアップ効果がねらえます。

40代半ば~50代のスタイルアップポイント

40代半ば~50代は、更年期に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、脂肪が体幹部に集中し始めるお年頃。ウエスト以外に背中にも脂肪がついたり、太ももが目立つようになったり、全体的に丸みをおびてメリハリのない体型に悩む人も増えてきます。そのため、体のラインを拾いにくいコーディネートで、体型の変化を感じさせないスタイルを目指すのがおすすめです。

スタイルアップポイント①:気になる胴まわりのラインをカバーし、メリハリあるスタイルに

バストからウエストにかけてタックが入ったワンピースのデザインは、40代半ば~50代が気になる胴回りのラインをさり気なくカバーし、スタイルにメリハリを出してくれます。シンプルなワンピースにはパールをあしらったカーディガンを羽織ると、よりレディライクに仕上がります。
シックな色味を選べば、ドレッシーなのにほんのりした甘さもプラス。
ドロップショルダーのカーディガンは、二の腕のラインも拾いにくいので、さらなるスタイルアップにおすすめです。

スタイルアップポイント②:デザイン性のあるトップスとセンタープレスパンツでスッキリと軽やかに

胴まわりがしっかり隠れるチュニック丈のニットは、ニットでありながら体のラインを拾いにくいデザイン。さらに裾のフリルが、腰から太もも周りのラインもカバーしてくれます。
パンツには、思い切ってホワイト系を取り入れることで抜け感と軽やかさをプラス。センタープレスの入ったテーパードパンツは、太ももを目立たせず脚のラインをキレイに見せてくれるので、スタイルアップ効果も抜群です。

さらにスタイルアップを目指すなら美容医療に頼るのも手

コーディネートを工夫してスタイルアップすることもできますが、さらにワンランク上を目指すなら、美容医療に頼るのもひとつの方法です。医療痩身治療をきっかけに、セルフケアを取り入れてスタイルをキープしている方は少なくありません。

スタイルアップの鍵は「体型を整える=皮下脂肪を落とす」こと

「体型を整える」というと、「まずはダイエットをして体重を減らそう!」と思うかもしれませんが、実は体重を減らすことと体型を整えることは、同じではありません。

体重を減らすことに固執してしまうと、栄養バランスやエネルギーが不足してげっそりしてしまったり、人によっては顔から先に痩せてしまい、しわが増えて老け込んでしまったりすることもあるでしょう。
体重を減らさなくても、体型を整えることはできます。

見た目にかかわるのは体重よりも脂肪、なかでも皮膚と筋肉の間につく皮下脂肪です。体に蓄積する脂肪は、皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。内臓脂肪は血管が多い内臓周辺につく脂肪で、エネルギーとして利用されやすく、ついても比較的落ちやすい傾向があります。一方、皮下脂肪は、心臓から遠く延びた末梢(まっしょう)血管と呼ばれる血管が通っている場所につくことが多く、消費されにくいのです。そのため、いったんついてしまうとなかなか落ちにくいのが特徴です。

同じ体重でも筋肉が多ければ見た目は引き締まっていますが、脂肪が多ければたるんだ印象を与えがちです。特に皮下脂肪が増えると、ボディラインのたるみが目立ってしまいます。

しかも太ったり痩せたりすると、全身にある脂肪細胞そのものが大きくなったり、小さくなったりするだけで、細胞の数そのものは変わりません。また「胸のサイズを保ったまま、ウエストのくびれをつくる」というように、特定の部位の細胞だけを小さくすることも、基本的にはできません。

したがって、運動や食事によるダイエットだけでスタイルアップを目指すのが難しいことも多々あります。

美容医療を取り入れれば「減らしたいところだけ減らせる」

「医療痩身治療」なら、狙った部分の脂肪だけを減らすことが可能です。減らしたくないバストなどの部分はそのままに、お腹まわりや太もも、二の腕などの気になる部位にダイレクトにアプローチして部分痩せができるので、スタイルアップを目指せます。

また、医療痩身治療は、治療によって脂肪細胞そのものの数を減らせるため、治療後に急激に太ることがなければ、長期的な体型維持がしやすいという特徴もあります。

特に今はメスや注射を使わず、医師のみが使用できる機器を使用し、効果や安全性がしっかりと検証されている治療法もあります。

※国内未承認治療を含みますが、それらを推奨するものではありません

1.メスや注射針を使わない治療例

・脂肪冷却治療
脂肪には「低温に弱い」という特性があります。脂肪冷却治療は、その特性を利用し、専用の機器で気になる部分を冷却して脂肪細胞を結晶化して体外に排出させ、その部分の脂肪細胞の数を減らすことが可能です。

・加熱治療
冷却治療とは反対に、専用の機器で皮下脂肪を温めて分解し、徐々に減らす治療方法です。代表的なものに、高周波(ラジオ波)治療があります。

なお、機器を用いた治療の場合には、厚生労働省の承認を受けている機器かどうか確認するようにしましょう。厚生労働省の承認は、国による厳しい審査を受け、品質および日本人における有効性と安全性が認められて初めて受けられるもので、安心して治療を受ける際の重要な判断基準になります。

クリニックのホームページなどに記載されている場合もあるので、ぜひチェックしてみてください。

美容医療に加えて、セルフケアすることも大切

美容医療でスタイルアップは実現できますが、スタイルキープのためにセルフケアをおすすめします。暴飲暴食などで急激に体重が増加すると、減らした脂肪細胞がまた増えてしまい、せっかくのスタイルアップが台無しになる可能性があるのです。

下島先生に手軽に実践しやすいセルフケアを教えていただきました。

1. スタイルキープのために取り入れたいセルフケア

・ポーションコントロール
あえて小さめの器に盛り付けることで、ポーション(一人前)の量がたっぷりあるように見せて、食事の量をコントロールする方法です。
お皿いっぱいに盛り付けてあると、ヒトは「量が多い」と感じやすい傾向にあることがわかっています。それを利用して「こんなにいっぱい食べるんだ」「たくさん食べてもいいんだ」という見た目の満足度を上げるテクニックです。

・じっくりと味わい、ゆっくりと食べる
じっくり味わい、ゆっくり食べ進めると交感神経が刺激されて、食後の体温の上昇が高まるなど、エネルギー消費量が増える傾向にあるといわれています。単純な方法ではありますが、実は有効。食事は早食いで空腹を満たすのではなく、よく味わってゆっくり楽しんでいきましょう。

・背筋を伸ばし、まめに動き回る
背筋を伸ばした姿勢をキープすると肺が広がりやすくなり、体に酸素を取り入れやすくなります。その状態を意識しながら、まめに動き回っていくと、運動不足の予防や消費カロリーの増加につながります。定期的に運動の習慣をつけることはもちろん大切ですが、それだけにこだわらず、意識して家事をしたり動いたりして、消費カロリーをコツコツと地道に積み重ねていくことも重要です。

・「軽めの」糖質制限をする
糖質制限は、短期間で体重を減らしたい方に適した減量方法です。ですが、糖質をすべて減らそうとしてしまうと、体に無理がかかり、悪影響が生じることがあります。糖質をゼロにしようとはせず、半分程度に減らしてみたり、白米は冷めて吸収されにくくなってから食べるようにしたりといった軽めの糖質制限を、停滞期などに一時的に取り入れてみるとよいでしょう。

ファッションや美容医療を味方にして、ずっとキレイに!

加齢は、体型の変化にも影響を与えます。年齢を重ねることでしか出せない魅力もありますが、加齢によって体幹部につきやすくなる脂肪や、体型のゆるみがコンプレックスになっている場合は、ファッションでカバーをしたり、美容医療によって根本的な改善を目指したりして、自分の気持ちを高めることも大切です。

医療痩身治療では、一般的なダイエットではできない脂肪細胞の数を減らし、部分痩せをすることが可能です。コンプレックス解消のきっかけとして、クリニックで治療を検討するのもよいでしょう。

ファッションや美容医療、そしてセルフケアを上手に取り入れて、いくつになっても自分が納得できる「キレイ」を目指していきましょう。

都会的で洗練された良質なファッションと出会える「OPAQUE.CLIP」

OPAQUE.CLIP (オペーク ドット クリップ)は、「BEAUTIFUL & PLAYFUL FASHION」をコンセプトにした、美しく、自分らしく、楽しく今を生きる大人達のためのブランド。品質、品格、正しさをまとったアイテムをベースに、都会的で洗練された、良質なライフスタイルとファッションの楽しさ、新しさとの出会いを提案してくれます。

OPAQUE.CLIP公式サイトへ
https://store.world.co.jp/s/brand/opaque-clip/

監修・取材協力

KUMIKO CLINIC 院長 下島 久美子 先生

KUMIKO CLINIC 院長 下島 久美子 先生

金沢医科大学卒業。杏林大学第一内科入局、内科医として大学病院、一般病院にて臨床経験を積んだ後、都内某美容クリニックに入職し、レーザー治療、注入療法の美容医療全般を学び美容皮膚科医としての臨床経験を積む。2014年、日比谷・有楽町に自身のクリニックを開院し、現在に至る。日本内科学会認定医、サーマクール認定医、アラガン社ボトックス・ヒアルロン酸注入指導医。患者様に提供する美容医療は、自分自身で体験し評価する。メスを使わない痩身治療とメスを使わない自然で美しい若返りを叶える注入治療の2つの治療を得意とする。

KUMIKO CLINIC

住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-6-10 スクワール日比谷ビル8(受付)・9F

OPAQUE.CLIP 内藤 倫子 さん

OPAQUE.CLIP (オペーク ドット クリップ)  内藤倫子さん

約7年間、店長として数多くのお客様の接客を担当。現在はブランドが出店している商業施設に向けたスタイリング提案などを行う。お客様の悩み・希望に寄り添いながら、スタイルアップを叶えるコーディネートに定評がある。

OPAQUE.CLIP

住所:〒107-852東京都港区北青山3-5-10 北青山ビル5F

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